Waterlase®レーザーで虫歯の治療するメリット
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昨日のニュースでレアアースが南鳥島周辺の海底に豊富に存在することをすることがわかったことが発表されました。今まで世界が中国に頼ってた分野でしたので、日本の排他的経済水域内に豊富に存在したことで安定して供給ができ日本にとってもハイテク産業にとって追い風になりそうですね。医療用レーザーに欠かせないイットリウムが世界の生産量の780年分、他先端技術に必要な元素が何百年分も豊富に存在するそうです。歯科用レーザーの中で、ErYAGレーザーはエルビウム、イットリウム、アルミニウムの人工鉱物の発振体の構成要素であったり、Waterlase®レーザーがもつYSGGはイットリウム、スカンジウム、ガリウムの人工鉱物の発振体の構成要素です。この発振体に向かってある閾値以上の強い光のエネルギーを加えると発振体から収束した位相差のない単一波長のレーザー光が飛び出します。上記のレーザーは水の分子を振動させ蒸散させる頂点に近い波長に固定してある中赤外線領域(2780nm,2940nm)にあります。この光が水分子に衝突して蒸散させるのにわずか数ナノ秒しかかかりません。まさに瞬間湯沸かしなのですが、連続していないのでお湯が沸くというイメージとは違います。ただ空中にある霧状の水滴に向けてこの光が一点に集まったところに衝突させると蒸散する初速はピストルから発射する弾丸より速いため水とはいえど歯のエナメル質を削ることが出来るのです。焦点が発射口の先端から1mm前後にありその領域でパワーが最大限になるため対象物から離れると急速に削れなくなります。ここで紹介しているレーザーは焦点深度が短く生体表面への吸収が浅いため他の半導体レーザーに比べ目への影響は比較的少ないといえるでしょう。
従来のドリルと比較してWaterlase®レーザーを虫歯の治療で使うメリットはどのようなメリットがあるのでしょうか。ドリルのようなキーンという削る音や振動もありません。削る特有の飛び上がるような痛みもありません。麻酔がいらない程度でほとんど慣れてしまう感覚です。二つ目は、ドリルで削る摩擦による熱が発生しないことです。これによりエナメル質への摩擦熱によるクラックで傷めたり、内部の神経を熱によって蛋白凝固させて失活してしまう心配もなくなります。3つ目に従来のドリルの先端より小さな虫歯も精細に光の深度を調整しながら最小限に切削ができ、削った表面が切削片で目詰まり(スメア層)して汚れることもないので接着力の向上にもなるでしょう。4つ目にWaterlase MDを使用した場合ですが、削る速さは従来のドリルと比べてそれほど遜色がありません。
Waterlase MDは、とても歯にも歯周組織にも優しいレーザーです。従来のドリルを使う場合は振動はどうしてもありますが、侵襲性を少なくするためにもできる限り象牙質で超低回転で、もしくは手用の掻き出す金属器具を使うようにすることもあります。歯はダイヤモンドのように硬くかつデリケートな天然の構築物であります。できる限り大事に扱いたいものです。